司法試験を実務から考える

司法試験の論文問題を実務の視点から掘り下げています

司法試験で問われている(であろう)こと

1.司法試験で問われていること

「法的な知識をつかって問題を解決すること」

 

「論文試験では何が問われていますか?」

この質問をするとこんな回答が返ってくることがあります。

 

結論から言えば正しいです。

 

しかし、司法試験の論文試験は現実の事件ではありません(参考にしている事件はあるでしょう。)。

あくまでも司法試験考査委員の方々が作った問題でしかありません。

 

ということは、

「論文試験で問われていること」=「司法試験考査委員が答えてほしいこと」

に他なりません。

 

本意ではない方もいるかもしれませんが、この割り切りは非常に重要です。

 

2.法律の論点の正解は一つではない

法律の論点の中には、優秀な法律家の方々が中には何十年も議論しても、平行線をたどり結論の一致をみていないものがたくさんあります。

それが論文試験で出ることもあります。

 

ですが、1科目たったの2時間で、その論点に深入りし結論を出して事案にあてはめて、問題文を解くことは非常に困難です(中には可能な優秀な方もいるでしょうが、例外中の例外とお考えた方がよいでしょう。)。

 

なので、2時間で問題を解くにあたっては司法試験考査委員が答えてほしいことに集中し割り切ることが得策です。

 

あくまで目標は試験の合格なのですから。

 

3.司法試験考査委員が答えてほしいこと

では「司法試験考査委員が答えてほしいこと」はどこにあるのか?

 

出題趣旨?

採点実感?

 

もちろんです。

過去問の分析では必読です。何度も読み返す必要があります。

 

ただ、本番の試験問題の出題趣旨や採点実感は試験実施後に公表されるものです。

事前・試験本番当日は読めません。

 

「司法試験考査委員が答えてほしいこと」の試験本番でのヒントは「問題文」にあります。

ですので、本番では問題文をよく読むことをお勧めします。