司法試験を実務から考える

司法試験の論文問題を実務の視点から掘り下げています

司法試験の問題文には(ほぼ)一言一句無駄がない

「論文試験で問われていること」=「司法試験考査委員が答えてほしいこと」

とお話ししました。

 

本番では「問題文」にヒントがあるとお話しました。

 

1.問題文にヒントがある理由

 

なぜ問題文にヒントがあるといえるのか?

 

一つは、当然のことですが、実際に問題を解こうとすると問題文に使うべき事情が書かれているからです。

 

もう一つです。

ここから先は推測になってしまいますが、司法試験の問題文は(優秀な法律家の集まりである)司法試験考査委員が1年かけて様々な議論を経て作られているはずです。

ということは問題文は相当洗練されているはずです。

回答にあたって使って欲しい事情も吟味に吟味を重ねているはずです。

 

事実、論文試験の問題文をよく読むと、(ほぼ)一言一句無駄がありません。

使えない問題文の事情はないくらいに感じることもあります。

 

2.実務家になってから気が付く問題点も

 

私の経験上、実務家になって数年たってから問題文を読み直して初めて気が付く問題点もありました(そしてその問題意識に触れている合格答案はほぼ皆無なこともあります。)。

 

ということで、試験本番で問題文を読むにあたっては問題文の事情をよくチェックすることをお勧めします。

 

問題文を読んで使えないと思った事情があるとしたら、その事情を使うべきポイントにご自身が気が付いていない可能性があると考えた方がよいです

だからと言って焦らない事もまた重要です。そういうポイントは他の受験生もまず気がすいていないことがほとんどのはずです。