司法試験を実務から考える

司法試験の論文問題を実務の視点から掘り下げています

司法試験の過去問は「早期に」解く・「何度も」解く

過去問の分析の仕方です。

 

1.2時間で分析しきることは不可能

 

論文試験の問題文をよく読むと、(ほぼ)一言一句無駄がない。

問題文を読んで使えないと思った事情があるとしたら、その事情を使うべきポイントに気が付いていない可能性があると考えた方が自然。

 

とお話しました。

 

とはいえ、1科目2時間という限られた時間で「問題文を読んで使えないと思った事情」がどういう意味を持つか、分析しきることは非常に困難です。

 

2.日ごろの勉強で時間をかけて分析する

 

そこで日ごろの勉強で過去問を分析する中で、問題文の事情について時間をかけて分析検討することをお勧めします。

出題趣旨や採点実感を読むとともに、問題文をよく分析検討することで、司法試験の「クセ」(≒司法試験考査委員が答えてほしいことをどう問題文に入れてくるか)が、見えてくるようになるはずです。

 

3.過去問の分析は早ければ早いほどよい

 

そして過去問の分析は早ければ早いに越したことはありません。

 

「初見の問題をとっておきたいから過去問の検討は直前に」という考えもありますが、お勧めしません。

すでに過去問は十数年分溜まっていますから初見の問題の確保はさほど困難ではないでしょう。

司法試験の「クセ」に「早く」慣れることの方が重要です。

 

4.過去問は「何度も」解いた方がよい

 

そして「何度も」解くこともお勧めします。

前にもお話しましたが、司法試験の問題文は(優秀な法律家の集まりである)司法試験考査委員が1年かけて様々な議論を経て作られているはずです。

私の経験上も受験生時代は使い方がよくわからなかった事情がありましたが、実務家になって数年たってから問題文を読み直して初めて気が付く問題点もありました。

 

司法試験の問題はとても難しいですし何度も解いても簡単には解けません。

それよりも「何度も」解いて司法試験の「クセ」に慣れ、新しい問題点を発見していくことの方が重要です。