司法試験を実務から考える

司法試験の論文問題を実務の視点から掘り下げています

刑事訴訟法

その4 別件逮捕・勾留と余罪取調べ(司法試験論文試験 平成23年 刑事系科目・第2問・設問1)

ようやく別件逮捕・勾留の検討です。 1.別件逮捕・勾留の判断基準 2.検討 甲について (1) 第1次勾留を請求する目的ないし意図 (2) 第1次勾留期間の本件取調べへの流用の程度 ア 本件に対する取調べ状況 イ 1日30分をどうやって証明するのか ウ 捜査…

その2 公判前整理手続(司法試験論文試験 平成28年 刑事系科目・第2問・設問4)

公判前整理手続は受験生には理解が難しい 平成27年決定の知識は問われていなかった とすると多くの受験生にとっては未知の問題についてその場で考えるというものでした。その際にどう考えていくかを検討します。 1.こういう時は趣旨から? 2.条文を探…

その1 公判前整理手続(司法試験論文試験 平成28年 刑事系科目・第2問・設問4)

更に過去問の検討をしていきます。 趣向を変えて公判前整理手続について触れます。 1.なぜ平成28年の問題を選んだか 2.なぜ公判前整理手続が出題されたか 3.平成27年決定の知識は必須とはされていなかった (1) 出題趣旨の言及 (2) とはいえ理解は…

その4 犯行再現と伝聞証拠(司法試験論文試験 平成21年 刑事系科目・第2問・設問2)

その3で実務的な観点から分析をしました。 「受験生レベルでは無理」という意見もあるかもしれませんので、その点を考えます。 1.直接証拠や供述の信用性(補助証拠)の議論を答案で書けますか? (1) 問題の端的な整理 (2) 基本書で解説されている用語で…

その3 犯行再現と伝聞証拠(司法試験論文試験 平成21年 刑事系科目・第2問・設問2)

続いて実務的な視点から問題を分析してみます。 1.実際の裁判であった場合 (1) 公判における甲の態度 (2) 検察官の方針 (3) 弁護人の方針 2.実況見分調書が持ってくる意味 (1) 自白の信用性が重要なポイントに (2) 犯行が物理的に可能であること (3) 再…

その2 犯行再現と伝聞証拠(司法試験論文試験 平成21年 刑事系科目・第2問・設問2)

その1の一般的な検討を踏まえて、日ごろの勉強の中でどこまで準備が必要であったかという点を考えてみます。 1.平成17年決定の理解は必須であったか (1) 出題趣旨や採点実感の記載 (2) 刑集・判例百選に搭載されている (3) 試験前に調査官解説を読める…

その1 犯行再現と伝聞証拠(司法試験論文試験 平成21年 刑事系科目・第2問・設問2)

前置きが長くなりました。 具体的に司法試験の過去問を検討していきます。 私の趣味もあり、刑事系第2問(主に受験生には理解が難しい証拠や公判)について扱っていく予定です。 なお、分析で示した結論は、実務家としての私の見解ではなく、あくまでも試験…